BOOK CLUB AWARD?

方船」「実力も運のうち 能力主義は正義か?」が第5回BOOK CLUB AWARDを受賞 ←NEW


「本を買って読む」本好き、読書好きにとって、このシンプルな行為は普遍的な楽しみを伴うものだと思います。しかしながら馴染みの書店が次々になくなり、必然的にインターネット上でのレビューやオススメ、選書サービスを頼りに「効率良く」クリックせざるを得ない機会が増えることの方が増え、最早「実店舗」で購入することの方が「非日常」になりつつある現在。かえって新しい本との「偶然の出会い」に関しては圧倒的に不足し始めていると思われます。

 

「BOOK CLUB AWARD」は、そうした社会問題とも言える現状に対し「出版社」や「書店」といった供給側の立場からではなく、あくまで「読書をする側」中でも全国各地で様々な形式や規模で「読書会を主宰している人たち」が中心になって毎年1回。ジャンルや発刊年に制約を「一切設けず」課題本やスゴ本といった「オススメ本」を選考会で決定、発表している「読書会主宰者たちによる文学賞」です。

 

その事で本好き、読書好きの人にとっては新しい本との「偶然の出会い」を提供すると共に、読書文化を盛り上げている読書会主宰者たちの「認知度向上」や「相互交流の機会」実現を目指していきます。


具体的には?

具体的には、毎年1回「読書会主宰者」の立場からの「課題本」や「スゴ本」2部門の「オススメ本」をそれぞれ推薦。選考会を経て、その年の「BOOK CLUB AWARD」として発表します。また、その過程で本好き、読書好きの人たちが実際に交流する機会もゆるやかに実現していきます。


第5回「BOOK CLUB AWARD」スケジュール

2022年11月1日〜11月末

第5回「BOOK CLUB AWARD」選書メンバー募集

 

2022年12月1日〜12月16日

オススメ本募集期間

 

2022年12月17日

参加団体によるオン・オフライン選考会を経て、結果を発表


ユーモアを交えながらも、「読んだ」と「読んでいない」の間のグラデーションを考察し、読書という行為の不確かさを改めて思い知らしめてくれる本だった。あれも読まねばこれも読まねばという、ほとんど強迫観念のような思いを緩和し、そっと肩の荷を軽くしてくれる。

はままつ君



日本初となる、「刑務所」のドキュメンタリー。舞台は島根県の官民混合運営型の「新しい」刑務所である「島根あさひ社会復帰促進センター」。ここでの「TC」と呼ばれるプログラムを受ける訓練生(受刑者)が主人公だ。

プログラムを通じて変化していく彼らの姿から、「罪と向き合うとは何か」「刑罰とは何か」という日本社会への問いかけと現状が浮き彫りになっていく。

富岡美代子



👑方船

今秋、SNSで「衝撃の結末」「ネタバレ厳禁」と話題沸騰したミステリー。

参加者さんからのリクエストを受け、当読書会(通常は紹介型)初の課題本に。

犯人の内面が深く描かれないことが、逆に読者の考察や想像を喚起。ネタバレを気にして言えなかったアレコレを披露し合うことで、楽しい時間が生まれる。

推理小説としても、コミュニケーションツールとしても素晴らしい本でした

ふっかー復活委員長(Book Fair読書会)



本書は誰もが知る公民権運動の指導者"I Have a Dream"のキング牧師の公生涯における十一篇の講演、説教を収録し2001年に海外発刊された一冊をキングの非暴力思想と実践に関心を持つ研究者、市民グループ『日本ML・キング研究会』が邦訳したもので。1955年のモンゴメリー・バス・ボイコット運動の初期の頃から1968年のメンフィスにおいて39歳で凶弾に倒れるまでに至るまでの間における『行動への呼びかけの声』が、ダライ・ラマ含む同時代人の解題も含めて収録されているのですが。

まず、通常なら15時間を準備に要している説教を『僅か20分の準備で行うしかなかった』最初に収録されたモンゴメリー大衆集会における演説から素晴らしく。まるで当時の聴衆の1人として【キング牧師に直接語りかけられているような感覚】で読み進めながらテンションが急上昇しました。

KENKADOU読書会



この本を読んだ後、アメリカほどではないかもしれないが、日本でもこの能力主義に基づいた社会的分断がいたるところにあると感じるようになった。それまではイデオロギーや経済的格差の問題によく落とし込まれる議論だったものが、勝者の驕り/敗者の屈辱という人間感情の側面からも考察されていておもしろい本。

はままつ君



校正者・牟田都子さんによるエッセイです。

繊細で、誠実で、たまにクスッと笑える本作りの裏側。それらを「全部、疑う。信じたいから。」「自分の記憶ほどあてにならないものはない」など、ミステリー仕立ての帯文で紹介しました。

 

今、読み手が失いがちな「作り手へのリスペクト」を、温かくよみがえらせる一冊。

1刷の帯にあるように、「本を愛するすべての人へ。」届くことを願っています。

ふっかー復活委員長(Book Fair読書会)



わが読書会において「東欧」に関係する本を紹介しあう回で、レムやオルガ・トカルチュクの本が紹介されていく中、最後に炸裂した隠し球。ジョルジョ・プレスブルゲル作の歯小説(ししょうせつ)。

始めに暗号表のように、あるスパイの歯列図が提示される。それらの歯の治療に関わった奇妙な歯科医たち、付き合った女性との別れやらが断片的に記されるパラグラフを読者は普通に冒頭から読み進めてもよいし、好きな歯から選んで読んでもよい。

SD4(右上第一小臼歯)が痛む時、どこかの国の元首が暗殺される。スパイの歯は世界の陰謀や事件と呼応して痛み続け、スパイはただ歯について哲学的に思索し続ける。

bookmark(休日の読書会)



コロナ禍でオンラインがもはや普通になってきた中。あらためてリアルで集まる意味、ネットから離れて本と向き合って語る「読書会」をしている意味を教えてくれるかのような一冊。作中で引用される本の多くが既読だった事も嬉しかった。

KENKADOU読書会



発掘されるべく、イギリスの女流作家でした、難病を患ったりで、夭折の作家でもありました。

百窓文庫読書会



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